2000年から引き出した5つの条件

2000〜02年に消えた会社と生き残った会社を分けた条件を、今の決算で確かめられる形にした。当てはまる条件ごとに印を付ける。印が少ないほど「弾けたときに持ちこたえる体力がある」という意味で、株価が割安か、上がるかとは関係がない。

物理インフラ(データセンター・電力)

2000年なら光ファイバー網・通信会社

2000年の光ファイバーにあたる層。ただし電力・土地・送電網は数十年もつうえに、すぐには増やせない。作りすぎても、後から来た人が使う資産になりやすい。危ないのは借金で建てる会社と、長期契約の相手(AI企業)の信用が揺らいだとき。

会社何をしているか売上(4四半期)伸び営業利益率設備投資÷営業CF純現金株価収益率株価売上高倍率52週高値から弱点
VertivVRTデータセンターの電源・冷却装置115億ドル+26%19%13%-1億ドル56x8.5x-33%なし
VistraVSTテキサス中心の発電会社。データセンター向けの電力需要を見込む192億ドル+4%19%56%-192億ドル21x2.4x-34%借金が重い
Constellation EnergyCEG原子力中心の発電会社。データセンターと長期の電力契約313億ドル+26%15%93%-188億ドル27x3.0x-35%借金が重い

半導体・ネットワーク機器

2000年なら通信機器(Cisco・Lucent・Nortel)

2000年の Cisco の席。今いちばん利益率が高い層だが、売上は顧客の設備投資そのもので、投資が止まれば売上も止まる。2000年に生き残ったつるはし売りですら株価は8〜9割下げた。顧客への出資で需要を支える動きは、Lucent・Nortel の顧客融資と同じ形をしている。

会社何をしているか売上(4四半期)伸び営業利益率設備投資÷営業CF純現金株価収益率株価売上高倍率52週高値から弱点
NVIDIANVDAAI用GPUの最大手。2000年のCiscoにあたる位置3,030億ドル+104%65%5%—28x17.9x-5%なし
AMDAMDGPU・CPU。OpenAIに自社株の新株予約権を渡して大口受注413億ドル+49%16%17%99億ドル160x24.9x0%期待の先取り
BroadcomAVGO巨大IT企業の自社設計チップの受託とネットワーク半導体891億ドル+56%48%3%-354億ドル44x18.9x-27%なし
MicronMUAI用の広帯域メモリ(HBM)903億ドル+188%66%49%209億ドル24x13.5x-11%なし
Arista NetworksANETデータセンター内のネットワーク機器。いちばんCiscoに近い商売105億ドル+33%43%—133億ドル64x24.7x-2%期待の先取り

クラウド・計算資源の貸し手

2000年ならデータセンター・ホスティング(Exodus など)

投資の主役。本業で稼ぐ巨大企業は、弾けても投資を減らして耐えられる(2000年の Microsoft や Oracle のように)。2000年の通信会社に近いのは、借金でGPUを買い込む新興クラウドと、稼ぎ以上に投資しているところ。

会社何をしているか売上(4四半期)伸び営業利益率設備投資÷営業CF純現金株価収益率株価売上高倍率52週高値から弱点
MicrosoftMSFTAzure。OpenAIの大株主3,318億ドル+18%47%63%365億ドル29x11.6x-5%なし
AmazonAMZNAWS。Anthropicに出資7,757億ドル+16%12%107%-100億ドル20x3.5x-12%FCF赤字
AlphabetGOOGLGoogle Cloud・自社チップ(TPU)・自社モデル(Gemini)4,459億ドル+20%33%71%1,423億ドル17x9.4x-15%なし
OracleORCLOpenAIと5年で3,000億ドル規模の計算資源契約(2025年9月に報道)718億ドル+22%32%161%-925億ドル22x5.8x-56%FCF赤字設備が重い
CoreWeaveCRWVGPUを買い込んで貸す新興クラウド。借入で設備を調達76億ドル+115%-3%298%-193億ドル赤字6.4x-39%FCF赤字営業赤字設備が重い

サービス・アプリ

2000年ならポータル・EC(Yahoo・Amazon・Pets.com)

2000年の教訓では、最後に勝ったのはこの層だった。弾けた後に安くなった計算資源を使えるからだ。ただし勝者はまだ小さいか、非上場か、まだ生まれていないかもしれない(Google は1998年創業、Facebook は2004年)。基盤モデルの会社(OpenAI・Anthropic)は非上場で、このサイトの数字には入っていない。

会社何をしているか売上(4四半期)伸び営業利益率設備投資÷営業CF純現金株価収益率株価売上高倍率52週高値から弱点
Meta PlatformsMETA広告でAIを使う側。自社モデル(Llama)と巨大データセンター2,282億ドル+28%38%69%66億ドル28x8.5x-3%なし
SalesforceCRM業務ソフト。AIエージェントを載せて売る側439億ドル+11%20%4%-279億ドル20x4.4x-12%なし
ServiceNowNOW業務の自動化ソフト147億ドル+22%11%14%-8億ドル84x9.5x-28%期待の先取り
AdobeADBE画像・動画の制作ソフト。生成AIで置き換えられる側でもある260億ドル+15%36%2%9億ドル13x3.5x-35%なし
PalantirPLTRデータ分析・AIの導入支援62億ドル+79%43%1%94億ドル151x74.0x-8%期待の先取り

読み方と注意

数値はSECに出された決算の直近4四半期(決算期末は2026年5月〜2026年8月)。純現金は現金と短期の有価証券から借入を引いたもので、リース債務は借入に含めていない。株価収益率(直近4四半期の純利益)と株価売上高倍率は、最新の株価と株式数で計算した。来期の予想利益は無料で取れないので、株価収益率は実績ベース。外国企業(TSMC・ASML・日本企業)と非上場のモデル会社は入っていない。

投資の助言ではない。印は「弾けたときの耐え方」を表すもので、買うべきかどうかを示すものではない。

2026年9月28日 10:50 更新・株価は2026年9月25日まで