米国の工業化と第一次世界大戦
1903 → 山 1917 → 1932
- 何が起きたか
- 米国が急速に工業化し、鉄・銅・石炭の需要が伸び続けた。第一次世界大戦がさらに需要を押し上げた。
- 上がった14年間
- 42品目中30品目が値上がりし、全体で1.5倍(物価の上昇分を除く)。
上げが大きかった品目:カリ 5.2倍・硫黄 3.0倍・プラチナ 2.8倍 - その後
- 戦後の反動と大恐慌で需要が崩れ、増えていた供給が余った。1932年までに、山から59%下がった。
コモディティ・スーパーサイクル 1850–2025
石油・銅・小麦などの値段は、景気に合わせて数年ごとに上下するだけではない。もっと大きな、30年ほどの波にも乗っている。15年ほど上がり続け、15年ほど下がり続ける。これを「スーパーサイクル」と呼ぶ。このサイトは、42品目・175年分のデータで、その波が本当にあったのか、なぜ起きるのか、今はどこにいるのかを確かめる。
3行でいうと
毎年の値段を「ふだんの水準」(長い目で見たときの平均的な値段)と比べる。すると、値段がふだんより高い時期が何十年も続き、そのあと安い時期が何十年も続く。この長い上下が、スーパーサイクル。
専門的には、実質価格の指数から長期トレンド(ふだんの水準)と20年より短い上下(ふつうの景気の波など)を除いた、20〜70年の周期の部分。計算の方法は「本当にあったのか」のページにある。
どの波も、15年ほど上がり続けた。きっかけは毎回違うが、いつも大きな需要の増加だった。
1903 → 山 1917 → 1932
1932 → 山 1947 → 1966
1966 → 山 1981 → 1996
1996 → 山 2011 → 今
値動きがでたらめなら、どの時期でも「ふだんより高い」品目はおよそ半分で、割合は灰色の帯の中に収まるはずだ。実際は、42品目のほぼ全部が同じ時期に高くなり、同じ時期に安くなることを何度もくり返した。
物価の上昇分の除き方を変えても波は残り、その時期は、別々に調べた経済学者たちの年表とも一致する。
大きな経済が工業化・都市化すると、鉄・銅・エネルギーの使い方が10年以上にわたって増える。一国の景気の波より長い。
鉱山は発見から生産開始まで平均16年以上かかる(IEA、2010〜19年に操業を始めた主要鉱山)。値上がりしても、すぐには増産できない。
高値のときに決めた投資が、需要の伸びが鈍ったころに生産を始める。余った供給が、長い下げの局面を作る。
データで分かった意外な点:毎年植え直せる農産物も、鉱山の資源と同じくらいの大きさで、同じ時期に波打つ。遅い鉱山だけの話ではなく、世界経済の成長やインフレのように、全品目をまとめて押し上げるものが効いている。
4回目の波の山は2011年。2020年から値段は上がり、大きく上がった品目もあるが、30年の波の線はまだ谷のあたり(2025年に-3%)にいる。この2つは矛盾しない。波の線は、上げが何年も続いてからでないと上を向かず、今のデータでは「長く続く上げ」と「数年で終わる上げ」の見分けがつかないからだ(今年に入ってからの上げも、まだ波の線に入っていない)。過去に同じ状況は3回あり、2回は大波になった。
歴史的に高い
中くらい
歴史的に安い
数字:1960年以降の歴史の中で、今の値段がどのくらい高いか(0=最も安かった月、100=最も高かった月)。物価の上昇分を除いた値段、2026年8月時点。
2000年代の大波の同じ時点と比べると、全体の上がり方は小さい(1.17倍、2000年代は1.55倍)が、2割以上上がった品目の数は同じくらい(26品目中13品目、2000年代は11品目)。主役は違い、2000年代は石油、今回は金・銀。新しい大波かどうかは、何年も後にならないと分からない。
2026年9月29日 02:33更新・年次データは2025年まで・月次の価格は2026年8月まで