米国の工業化と第一次世界大戦
谷 1903 → 山 1917(+26%) → 次の谷 1932
- 上がった理由
- 19世紀末から米国が急速に工業化し、鉄鋼・銅・石炭・穀物の需要が長く伸びた。第一次世界大戦で需要はさらに膨らんだ。
- 終わった理由
- 戦後の反動と1929年からの大恐慌で需要が崩れ、増えていた供給が余った。価格はトレンドを大きく下回り、谷は1930年代前半。
このページの要点
大きな経済が工業化・都市化すると、鉄・銅・エネルギーの使い方が10年以上にわたって増える。一国の景気の波より長い。
鉱山は発見から生産開始まで平均16年以上かかる(IEA、2010〜19年に操業を始めた主要鉱山)。値上がりしても、すぐには増産できない。
高値のときに決めた投資が、需要の伸びが鈍ったころに生産を始める。余った供給が、長い下げの局面を作る。
指数の上げの局面は、どれも谷から山まで15年ほどかかった。鉱山の発見から生産までの年数に近い。話の筋とは合うが、4つの波で証明できるものではない。
谷 1903 → 山 1917(+26%) → 次の谷 1932
谷 1932 → 山 1947(+4%) → 次の谷 1966
谷 1966 → 山 1981(+51%) → 次の谷 1996
出典:Fed History(1973–74) / Fed History(1978–79) / Erten & Ocampo 2013
谷 1996 → 山 2011(+35%) → 次の谷 途中
鉱山の長い準備期間だけが理由なら、毎年植え直せる農産物より、鉱物のほうがずっと大きく波打つはずだ。データは半分だけそれを支持する。
| 波の大きさ(平均的な振れ幅) | 山の年 | |
|---|---|---|
| 育てるもの(農産物・畜産物) | 15% | 1915, 1945, 1975, 2016 |
| 地中の資源(エネルギー・金属・鉱物) | 24% | 1919, 1955, 1981, 2010 |
| 地中の資源(エネルギーを除く) | 15% | 1914, 1939, 1982, 2012 |
指数で見ると地中の資源のほうが大きく波打つが、その多くはエネルギーの分で、エネルギーを除くと農産物と変わらない。品目ごとに見ても、波の大きさは同じくらい(平均的な振れ幅の中央値:地中の資源20品目で22%、育てるもの22品目で21%)で、それぞれの中でのそろい方(0.50と0.51)も、2つの間のそろい方(0.39)も近い。
つまり、供給の遅れだけでは波は説明できず、全品目を同時に動かすものがある。考えられるのは、世界経済の成長(Erten & Ocampo は、石油以外の商品価格が世界のGDPに遅れて動くことを示した)、作物を育てるコストとしてのエネルギー、ドルとインフレなど。
2つが違うのは、波の下にある長期トレンドだ。育てるものの中央値は、実質で年0.9%ずつ下がってきた(農業の生産性が上がったため)。地中の資源の中央値はほぼ横ばい(年-0.1%)。農産物の波は、毎回より低いところから始まる。Erten & Ocampo はこれを、一次産品は工業製品に対して長い目で値下がりするというプレビッシュ=シンガーの見方を支持するものと見ている。
多くの商品では、世界経済の成長が先で価格が後から付いてくる。石油については、Erten & Ocampo は逆を見つけた。石油の値上がりが先に来て、世界経済の成長を抑える。この指数で最も大きい1970年代の波は、石油の波だった。
2026年9月29日 02:33更新・年次データは2025年まで・月次の価格は2026年8月まで