結論

週単位で見れば、鉱山株はたしかに金の動きを増幅する(GDX の52週ベータは今1.80倍で、過去20年のほとんどで1倍を上回った)。しかし1年単位では話が違う。金が5%以上上がった13年のうち、GDX が金を上回ったのは5年だけで、GDX÷金価格は2006年の起点より今も62%低い。コスト高・増資による希薄化・鉱業税の引き上げが、長い目で見るとレバレッジの多くを食ってきた。鉱山株が報われるのは、利ざやがコストより速く広がるとき。上の条件はそれを確かめている。

5つの条件

鉱山株を金より選ぶ理由は営業レバレッジ(コストがあまり変わらなければ、利益は価格より速く伸びる)。それが今、実際に起きているかを5つの条件で確かめる。

2006年からの鉱山株と金

GDX÷金価格(GDX の上場した2006年5月=100)は今38で、2006年以降の分布の64%点にいる。最高は2006年9月の116、最低は2016年1月の20。線が下がっている時期は、鉱山株が金に負けていた。

GDX÷金価格(2006年5月=100・対数目盛)

年ごとの金と鉱山株

金が5%以上上がった13年のうち、GDX が金を上回ったのは5年。実現レバレッジ(GDX の騰落率÷金の騰落率)の中央値は、金が上がった年で0.8倍、下がった年で2.2倍。レバレッジは下げにも効き、金が上がったのに鉱山株が下がった年もある。

暦年の騰落率:金とGDX(%)*は今年の年初から。GDX÷金は金が±5%以上動いた年だけ。
数値で見る
年金GDXGDXJGDX÷金
2007+31.4%+14.8%—0.5倍
2008+5.8%-26.1%—-4.5倍
2009+23.9%+36.4%—1.5倍
2010+29.8%+33.0%+55.0%1.1倍
2011+10.2%-16.3%-38.1%-1.6倍
2012+7.0%-9.8%-19.9%-1.4倍
2013-28.2%-54.5%-60.8%1.9倍
2014-1.5%-13.0%-22.9%—
2015-10.4%-25.4%-19.7%2.4倍
2016+8.5%+52.5%+64.2%6.2倍
2017+13.6%+11.1%+8.2%0.8倍
2018-2.1%-9.3%-11.5%—
2019+18.9%+38.8%+39.8%2.1倍
2020+24.7%+23.0%+28.3%0.9倍
2021-3.5%-11.1%-22.7%—
2022-0.1%-10.5%-15.0%—
2023+13.4%+8.2%+6.3%0.6倍
2024+27.5%+9.4%+12.8%0.3倍
2025+64.4%+152.9%+166.2%2.4倍
2026*-3.1%+8.3%+6.4%—

鉱山株は金の何倍動くか

直近52週で、GDX は金の週ごとの動きの1.80倍、GDXJ は1.99倍動いた。

GDX の対金ベータ(52週・週次リターン)1を超えると、GDX は金の動きを増幅している。

業界の利ざや

加重平均AISC(直近の四半期)$1,8251年前 $1,539(+19%)
同じ四半期の金の平均価格$4,5341年前 $3,293(+38%)
1オンスあたりの利ざや$2,7091年前 $1,753(+54%)
今の金価格での利ざや$2,381金 $4,207

このサイトで扱う生産会社のうち、1年前の同じ四半期の AISC も出している15社の生産量で加重(ロイヤルティ会社は除く)。金は各社の四半期のCOMEX先物の日次平均。

2026年9月28日 15:53 更新・株価は2026年9月28日まで