段 1 発電
増える電気を、何で作るのか
このページの要点
- 増える電気の多くはガスで作っている。太陽光と風力も増えたが、夜や風の無いときは止まる。一日中動くデータセンターには、ガスが要る。
- そのガスタービンが売り切れている。最大手 GE Vernova の注文残は売上の4.3年分で、1年で37%増えた。
- 米国東部では、数年先の発電の能力を確保する値段が2024/25年度分の11倍になった。3回続けて上限の値段で決まり、それでも足りなかった。
- 日本では原子炉15基が再稼働した。ウランは物価の上昇分を除いて2019年の2.0倍。
米国は何で電気を作っているか
| 電源 | 2019年5月までの12か月 | 2026年5月までの12か月 | 増減(TWh) | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| ガス | 1,514 | 1,824 | +310 | 36.3% → 40.8% |
| 原子力 | 805 | 789 | -17 | 19.3% → 17.7% |
| 石炭 | 1,100 | 706 | -394 | 26.4% → 15.8% |
| 太陽光 | 66 | 320 | +254 | 1.6% → 7.2% |
| 風力 | 274 | 475 | +200 | 6.6% → 10.6% |
| 水力 | 292 | 259 | -33 | 7.0% → 5.8% |
伸びが最も大きいのは太陽光と風力だが、夜や風の無いときは発電できない。データセンターは一日中電気を使うので、安定して出せる分は主にガスが担い、そのためのガスタービンが最も足りない設備になっている。
出典:EIA
ガスタービンは何年も先まで埋まっている
数値で見る
| 四半期末 | 受注残 | 売上の何年分 |
|---|---|---|
| 2024年3月 | 1,163億ドル | 3.5 |
| 2024年6月 | 1,155億ドル | 3.4 |
| 2024年9月 | 1,177億ドル | 3.4 |
| 2024年12月 | 1,190億ドル | 3.4 |
| 2025年3月 | 1,234億ドル | 3.5 |
| 2025年6月 | 1,287億ドル | 3.5 |
| 2025年9月 | 1,353億ドル | 3.6 |
| 2025年12月 | 1,502億ドル | 3.9 |
| 2026年3月 | 1,633億ドル | 4.1 |
| 2026年6月 | 1,763億ドル | 4.3 |
Siemens Energy(2026年6月末)
受注残1,620億ユーロ(過去最高)。ガス部門だけで730億ユーロ
三菱重工業(2026年3月末)
受注残13兆2,376億円。ガスタービン発電所(GTCC)だけで5兆円超、大型ガスタービンを1年で35台受注
出典:三菱重工 2026年5月
米国のタービンの生産者物価は、物価の上昇分を除いて2019年比0%(1年で+1.9%)と、変圧器や銅ほどは上がっていない。値段は何年も前の注文の時点で決まるので、足りなさは値段より納期と受注残に出る。
米国東部で、数年先の発電の能力の値段
数値で見る
| 受け渡し年度 | ドル/MW・日 |
|---|---|
| 2022/23 | $50.00 |
| 2023/24 | $34.13 |
| 2024/25 | $28.92 |
| 2025/26 | $269.92 |
| 2026/27 | $329.17 |
| 2027/28 | $333.44 |
| 2028/29 | $325.00 |
2028/29年度の入札(2026年7月)は3回続けて上限で決まり、それでも必要な量に6,831MW届かなかった。上限が無ければ554.72ドルだった。
出典:PJM 2026年7月 / PJM
原子力とウラン
日本
再稼働した原子炉は15基(2026年4月時点)。柏崎刈羽6号機が2026年4月16日に営業運転を始めた。北海道電力の泊3号機は2027年のできるだけ早い時期の再稼働を目指す。
出典:電気事業連合会
米国
原子力の発電量は横ばい(上の表)。新しい原子炉はほとんど無く、今ある原子炉の運転延長と、止めた炉の再稼働(コンステレーションの Crane、旧スリーマイル島1号機など)でデータセンターに長期契約で売る動きが中心。
ウランの値段69ドル/ポンド2026年7月
2019年比(物価の上昇分を除く)+105%
1992年からの歴史の中での高さ810=最も安い月、100=最も高い月
出典:FRED
このページは情報の整理で、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。データは各公表元のもので、誤りや遅れがありえます。投資の判断はご自身で。
2026年9月29日 11:12更新・米国の電力は2026年5月まで・金属の値段は2026年8月まで