電力の需要

何が電気の需要を増やしているのか

このページの要点

  1. 米国の電気の使用量は2007〜2021年の14年間、ほとんど変わらなかった。LED照明や省エネ家電が、増える分を打ち消していた。
  2. 2021年から6.8%増えた。いちばん増やしたのは、データセンターが数えられる「商業」で、2019年からの増加の61%。
  3. データセンターの電気は7年で2.7倍になり、米国の電気の4.7%を使う。2017年からの増加の約半分がデータセンター。
  4. データセンターを除くと、伸びは年0.9%ではなく年0.5%ほど。AIが止まっても需要は減らないが、伸びはおよそ半分になる。

14年の横ばいのあと、伸び始めた

米国の電力の使用量(年間、TWh)電力会社からの販売と自家発電の使用の合計(EIA)。色の帯が横ばいの時期。
数値で見る
年TWh
19902,837
19912,886
19922,897
19933,001
19943,081
19953,164
19963,254
19973,302
19983,425
19993,484
20003,592
20013,557
20023,632
20033,662
20043,716
20053,811
20063,817
20073,890
20083,866
20093,724
20103,887
20113,883
20123,832
20133,868
20143,903
20153,900
20163,902
20173,864
20184,003
20193,954
20203,856
20213,945
20224,067
20234,011
20244,110
20254,195

1950年から2007年まで、米国の電力の使用量はほぼ毎年増えた。その後はLED照明や省エネ家電、重い工業の海外移転が伸びを打ち消し、14年間横ばいが続いた。それが2021年ごろに終わった。

出典:EIA

誰が増やしたのか

部門ごとの電力の使用量(12か月の合計、TWh)各点はその月までの12か月の合計(季節の上下をならした)。
部門2019年5月までの12か月2026年5月までの12か月増えた量(TWh)増加に占める割合
家庭冷房・暖房(ヒートポンプ)・家で充電する電気自動車1,4531,511+5825%
商業(データセンターを含む)店・事務所・病院と、データセンターの大半1,3751,513+13861%
工場など工場・鉱山。半導体や電池の新しい工場(工場回帰)1,0051,045+4118%
その他自家発電の使用・鉄道など——-9-4%
合計(自家発電の使用を含む)3,9844,212+228100%
うちEVの充電家庭・商業の中に含まれる1.826+2411%

家庭は天気で上下する(暑い夏は冷房が増える)ので、伸びの一部は偶然。データセンターが数えられる商業は、着実に増えてきた。工場は、半導体や電池の新しい工場もあって、久しぶりに増えている。

出典:EIA

データセンターはどのくらいか

データセンター(2024年)192 TWh米国の使用量の4.7%
2017〜2024年の増加に占める割合50%増えた246TWhのうち122TWh
LBNLの2030年の見通し11.8%649TWh(幅9.5〜15.3%)
世界(IEA、2024→2030年)1.5% → 3%415 → 945 TWh

データセンターはまだ米国の電力の5%に満たないが、ほかがほとんど伸びなかったので、最近の増加の半分ほどを説明する。2020年からの急な伸びの大半はAIのサーバー。データセンターはその前からゆっくり増えていたので、AIはその上の上乗せ分にあたる。2017年の値は60〜80TWhと幅があり、70を使った。

出典:LBNL 2026年6月 / IEA 2025年4月 / EIA

AIが崩れたら、需要はどれだけ残るか

2つの見方がある。過去から見ると、データセンターを除いた米国の需要の伸びは2017〜2024年で年0.5%ほど(含めると年0.9%)。先の見通しでは、LBNL は2024〜30年の増加のうちデータセンターを約33%とみており、3分の2はEV・ヒートポンプ・工場・冷房など、それ以外から来る。どちらで見ても、AIが無くても需要は伸びるが、伸びは遅くなる。データセンター向けに注文された設備から先に影響を受ける。

AI相場ウォッチは同じ問いを反対側から見ている。AIの相場が崩れたら、どの層が打撃を受けるか。

AI相場ウォッチ:弾け方の4つのシナリオ →

日本

日本の電気の需要は、人口減少と省エネで長く減ってきた。電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、これが増えに転じるとみる。夏の最大需要は2025年度の15,882万kWから2035年度に16,460万kW(年0.4%ほど)。データセンターと半導体工場の新増設だけで、2035年度に568億kWh(全国の需要の6.71%)を見込む。

出典:OCCTO 2026年1月

このページは情報の整理で、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。データは各公表元のもので、誤りや遅れがありえます。投資の判断はご自身で。

2026年9月29日 11:12更新・米国の電力は2026年5月まで・金属の値段は2026年8月まで