専門家・機関の見方

専門家と機関はどう見ているか。データは合っているか

米国の国立研究所 LBNL、国際エネルギー機関(IEA)、BloombergNEF、Wood Mackenzie、米国東部の送電網の運営者 PJM、Citi。電力需要と銅についての見方を要約し、1件ずつこのサイトのデータと突き合わせた。

このページの要点

  1. ここに並べた専門家・機関はどれも、電力需要は伸び続け、銅は足りないとみる。今のデータも詰まりについては合っている。変圧器と銅の値段は物価の上昇分を除いても2019年を大きく上回り、受注残は増え続けている。
  2. 弱いところは需要の伸びの速さ。米国の使用量の伸びは直近1年で1.2%で、データセンターの見通しどおりなら、ここから伸びが速まる必要がある。

研究機関・国際機関

2026年6月 · LBNL(米ローレンス・バークレー国立研究所)

米国のデータセンターの電力は、2024年の4.7%から2030年に11.8%へ

2024年は192TWh。2030年は649TWh(幅は9.5〜15.3%)。2024〜30年の電力需要の増加のうち、データセンターは3分の1とみる。

データで見るとそこに届くには、データセンターだけで年76TWhほど増える必要がある。米国全体の使用量は直近12か月で50TWh(+1.2%)増えたので、見通しどおりなら需要の伸びはここから速まる。

出典:LBNL 2026年6月

2025年4月 · IEA(国際エネルギー機関)

世界のデータセンターの電力は、2030年までに2倍以上になる

2024年の415TWh(世界の電力の1.5%)から、2030年に945TWh(3%弱)。増える分の最大の理由はAI向けのデータセンター。

データで見ると米国のデータ(EIA)では、データセンターの大半が入る商業の使用量が2019年比+10%。

出典:IEA 2025年4月

2025年5月 · IEA(国際エネルギー機関)

銅は2035年に最大3割の供給不足になるおそれがある

鉱石の品位の低下、費用の上昇、新しい鉱床の少なさ、長い準備期間が理由。需要の伸びの最大の要因は中国の送電網への投資。

データで見ると銅は物価の上昇分を除いて1960年からの月の上位5%の高さ。2026年の精錬の加工料の基準はゼロで、鉱山の供給は2035年を待たず今すでに足りない。

出典:IEA 2025年5月

2025年8月 · BloombergNEF

データセンターが銅の不足を悪化させる

データセンターの銅は今後10年で平均年40万トン、2028年に57.2万トンで山。ただ、世界の銅の使用量に占める割合は今は1%ほど。

データで見るとこのサイトのデータとも合う。銅は物価の上昇分を除いて2019年の1.82倍で、使用量の1%にすぎないデータセンターだけでは説明できない。

出典:BNEF 2025

調査会社・送電網の運営者

2025年8月 · Wood Mackenzie

米国の大型変圧器は、2025年に3割足りない

2019年から大型変圧器の需要は116%増えた。米国の大型変圧器の8割は輸入。

データで見ると米国の変圧器の値段は物価の上昇分を除いて2019年の1.44倍で、1年でも+4.3%。不足はまだ解けていない。

出典:Wood Mackenzie 2025年8月

2026年7月 · PJM(米国東部の送電網の運営者)

2028/29年度に必要な発電の能力を、6,831MW 確保できなかった

容量市場(数年先の発電の能力を買う入札)は3回続けて上限の価格で落札。上限が無ければ1MW・1日あたり554.72ドルだった。

データで見るとタービンのメーカーはすぐには追いつけない。GE Vernova の受注残は1年で37%増え、売上の4.3年分になった。

出典:PJM 2026年7月

金融機関

2025年10月 · Citi(Max Layton)

金・銀の上昇相場は、2026年に銅とアルミへ広がる

理由はAI・データセンター、脱炭素、ロボット、原子力。

データで見ると2025年10月から2026年8月まで、銅+33%、アルミ+16%、金+9%、銀+32%(世界銀行の月平均)。この見方の後、銅は金より上がった。

出典:Citi 2025年10月

このページは情報の整理で、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。データは各公表元のもので、誤りや遅れがありえます。投資の判断はご自身で。

2026年9月29日 11:12更新・米国の電力は2026年5月まで・金属の値段は2026年8月まで