前提を供給側から

ほかのサイトの前提を、供給側から点検する

After Deal のほかのサイトの多くは需要を見ている。金は、AIは、電気は、もっと求められるか。資本サイクルは逆の問いを立てる。それに応える供給を、誰かが作りすぎていないか。作る側が控えていれば良い話は何年も続き、群がれば需要が伸びていても終わる。

鉱山株ウォッチ:「金鉱山は投資を控えている」

要注意

金鉱山の設備投資は減価償却の1.38倍。2008年の山の2.9倍より低く、2008年からの真ん中の値(1.31倍)を少し上回る。

設備投資÷減価償却:金鉱山と銅
数値で見る
年度金鉱山銅
20082.911.60
20092.121.52
20101.421.45
20112.562.13
20122.653.23
20131.284.30
20140.902.03
20151.151.87
20160.871.16
20170.971.01
20181.161.22
20190.961.52
20200.851.41
20211.121.46
20221.341.82
20231.421.86
20241.381.42
20251.421.50

前の大きな投資の山は、金鉱山が2008年(減価償却の2.9倍)、銅が2013年(4.3倍)。2011年からの5年で、米国の鉱業の株は市場より49%下回った。金が最高値の今、金鉱山は1.38倍、銅は1.56倍。2014〜20年の控えた時期よりは多いが、昔の山には遠い。ただ、2008年からの真ん中の値(1.31倍)を上回り、「控えている」とは言い切れなくなってきた。見ておくのは、2倍に近づくような増え方、とくに買収や大きな新しい鉱山。

鉱山株ウォッチ →

AI相場ウォッチ:「AIへの投資が続く」

保たれている

続いている。データセンターの設備投資は減価償却の3.5倍で、前の年度の2.9倍からさらに増えた。ただ過去には、ここまで投資が多い技術の業界は、そのあと株が市場に負けてきた。

設備投資÷減価償却:データセンターと半導体
数値で見る
年度データセンター(ハイパースケーラー)半導体(工場を持つ会社)
20082.081.10
20091.700.74
20101.310.97
20111.491.69
20121.751.38
20131.591.29
20141.591.30
20151.231.17
20161.411.49
20171.381.30
20181.461.13
20191.251.62
20201.661.54
20212.022.01
20221.972.50
20231.751.83
20242.201.47
20252.901.52

AI相場ウォッチは「投資が続く」ことを前提にしている。実際に続いている。クラウドの大手5社は直近の年度に4,675億ドルを投じ、減価償却の3.5倍になった。ただ資本サイクルの見方では、これは典型的な警告のサイン。75年のデータでは、技術の業界で投資が自分の過去よりこれだけ多いと、その後の株は、控えた時期のあとより年7%ほど悪かった。AIの需要が無いという話ではない。一度にこれだけ設備が建つと、その設備の儲けが下がりうるという話で、2000年の光ファイバーと同じ形。

半導体の工場も、ふつうより多いが、2022年の山よりは下。

AI相場ウォッチ → / サーバーの耐用年数と利益 →

電化ウォッチ:「電力設備が詰まっている」

要注意

買う側(電力会社)の設備投資は減価償却の2.7倍で過去最高。ただ作る側も2.2倍と2008年以降で最も多く、増産に動き始めた。

設備投資÷減価償却:電力設備を作る側と買う側
数値で見る
年度電力設備(作る側)電力会社(買う側)
20080.782.25
20090.482.01
20100.991.92
20111.422.13
20121.472.00
20131.251.94
20141.172.01
20151.072.21
20161.032.39
20171.022.05
20181.052.05
20191.081.97
20200.851.84
20211.121.66
20220.952.12
20231.312.29
20241.252.20
20251.832.58

電化ウォッチは、変圧器・タービン・電線が足りないとみる。詰まりは、作る側が設備を増やさないかぎり続く。2008〜24年のほとんど、作る側は減価償却と同じくらいしか投資せず、買う側の電力会社はその2倍ほどを投じてきた。それが変わり始めた。作る側は今、減価償却の2.2倍を投じているで、データのある中で最も多い。投資の大きい会社はGE ベルノバ(2.5倍)・イートン(2.0倍)・バーティブ(3.6倍)。新しい設備が動き出すまでには時間がかかるので、不足がすぐ終わるわけではないが、供給側から「いつまでも続くわけではない」という最初のサインが出た。

電化ウォッチ:送電網 →

判定の決め方

出典:SEC EDGAR

このページは情報の整理で、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。データは各公表元のもので、誤りや遅れがありえます。投資の判断はご自身で。

2026年9月30日 01:15更新・会社の決算は2026年8月まで・業界の長い歴史は2024年まで